パワエレ学生の備忘録

電気電子,パワエレ(特にスイッチング電源やモータ),制御工学や趣味に関すること,を赴くままに綴る,便所の落書きのようなところ/保有資格:第三種電気主任技術者,第一種電気工事士

二輪車の電動化について

 近年,ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)に注目が集まっているが,二輪車についてはあまり話題に上がらない.

 テレビ東京の番組「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」で使用されているバイクは電動のものであるが,50cc相当のもので(手軽に乗れるという点が番組にとって都合がいいのだろうが),これ以外に電動バイクがCMやテレビ,その他メディアで取り上げられることは殆どない.

 自動車に比べてバイクはなぜ電動化が進まないのか.単に需要の問題なのか,それとも技術的に障壁があるのか.

www.tv-tokyo.co.jp

 

 「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」のバイクは,YAMAHAのE-Vinoと呼ばれる原付電動バイクである.満充電で29km(皇居6周弱)走行が可能で,充電所要時間は3時間程度となっている.

 YAMAHAはこの車種のみである.

www.yamaha-motor.co.jp

 

 また,同じくバイク業界で大手のHONDAでは,原付二種(~125cc相当)のPCX ELECTRICがすでに販売されている.リース販売なので,企業向けになっているが,公式サイトには,

 さらに、東南アジア地域でも法人向けのリース販売を予定しています。また、フィリピンでの余剰電力活用システムの実証実験にPCX ELECTRICを使用する予定です。

 

 このモニタリング、レンタルサービスおよびシェアリングサービスを通じて、ビジネスユースからパーソナルユースにわたる電動二輪車の利便性の検証と活用状況のデータを今後のさらなる開発に活かし、よりお客様に身近な電動二輪車の普及に向けた取り組みを着実に進めてまいります。

とも記述されているため,まずはリースで様子見,新興国向けのニーズも調査するといったところか.

www.honda.co.jp

 

 また,ホンダは「東京モーターショー2019」において,配送業向け電動バイクのニューモデルを発表していた.SUPER CUBを彷彿とさせるそのフォルムからも,いかにも新聞・牛乳・郵便配達向けといった雰囲気が伝わってくる.

 こうしてみるとホンダは業務用が狙いか.

response.jp

 

 海外ブランド(生産は国内)で,aideaなるブランドがあるそう.こちらも発売までこぎつけているわけではないが,大型まで用意されており,プラグイン充電ができるといった特徴もある.「aidea A4-1」は前輪が2輪の合計3輪仕様であり,その姿はYAMAHAのトリシティっぽい感じがする.

 供給対象が個人向けか,ビジネス向けかは明らかにされていないが,ルーフ(屋根)付き,荷台もあることから,ビジネス向けであるかと思われる.

young-machine.com

 

 スポーツタイプは,KYMCOのSUPERNEXが,250ccクラスである.以下のリンクは1年前の記事だが,調べても販売のプレス情報は見当たらない.

 デザインはガソリン車に負けず劣らずで,個人的には好き.しかも6速ミッションが付いてて,加速性能も悪くない.

 販売はおそらく海外向けが先行し,日本へは当分先となるが,ガソリン車が根強い日本ではなかなか難しいか?

clicccar.com

 

 もっと調べたら,国内メーカでスポーツタイプがあった.しかも,つい2ヶ月ほど前の情報で,走行試験やってる映像.ただし,これもまだ研究段階であるそう.

 映像で見ると,改めて,電動の加速性能の凄さがよく分かる.

www.youtube.com

 

 もっとよく調べると,ものすごいイロモノが出てきた.zecOOと呼ばれるバイクで,国内メーカが製造,販売している.

Q. メーカーはどこですか?
A. 工業デザイン製品の企画やデザインを行う東京の「znug design(ツナグデザイン)」と、カスタムメイドを得意とする千葉のバイク販売店「オートスタッフ末広」の共同開発です。オートスタッフ末広でひとつひとつハンドメイドで組み立てられています。改造車ではなく、使用するほとんどの部品を専用に製作しています。もちろん日本の認定を取得していますので、高速道路を含む公道を問題なく走行できます。

 最高時速は160 km/hで,中型ATで乗れるそう.

 ただし,値段が880万と,超高価格帯なので,まったく手が届きそうにないし,49台限定生産らしい.まだまだ電動バイクの普及は先か.

www.zecoomotor.com

 

 

結論:電動バイクの開発はここ数年でヤマハやホンダ,カワサキトヨタなどの大手を始め多くの企業が進めており,原付から大型まで幅広く,スポーツタイプはまだまだ普及は遠いが,小型の業務用であれば近いうちに普及しそう.

というか,こんなにゴリゴリやってるのにあまり知らなかったのがすごく恥ずかしい.