パワエレ学生の備忘録

電気電子,パワエレ(特にスイッチング電源やモータ),制御工学や趣味に関すること,を赴くままに綴る,便所の落書きのようなところ/保有資格:第三種電気主任技術者,第一種電気工事士

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このページは色々知ったことについて,特に公開したい知見を雑多に書いていっています.主に,電気電子に関する記事が多いです.

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【解析力学】汎関数問題について

 汎関数は,

$$F = \int_a^b f(x,y,y')dx$$

で定義される\(F\)のことをいう.汎関数は物理,特に力学に関する問題を解くのに有益で,例えば最速降下曲線問題に有効である.

 一方で,汎関数問題は,解析力学を学ぶ上でつまずくポイントでもあるので,雑多ながらまとめておく.

 まず,汎関数の性質について解説する前に,汎関数が必要になる例を紹介する.

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【古典制御】安定判別法 番外編(偏角の原理アニメーション)

 Nyquisの安定判別法で登場した,偏角の原理について説明するアニメーションを作成した.

 対象となる極と零点を囲むような曲線上に沿って,変数を変化させたときの写像の振る舞いを示すものになっている.

 参考までに,偏角の原理をおさらい:

偏角の原理
\( C\)を複素閉右半平面\( \mathbb{C}\)内の区分的に連続微分可能な単純閉曲線であり,反時計回りの方向に動くものとする.
このとき, \( C\)の内側にある\( f\)の零点および極の個数を, 重複するものも数えてそれぞれ\( N, P\)とする.
また,\( f\)は \( C\)上で極も零点も持たないとする. このとき,
$$ \oint_{C}\frac{f'(s)}{f(s)}ds = 2\pi j(N-P) $$
が成り立つ.

  例えば,

$$w(z) = \frac{1}{z-(1+j)}$$

なる写像が与えられ,\(z\)は\(1+j\)を囲むような経路(例えば,\(1+j\)を中心とした円)を反時計回りにたどったとき,\(w\)は,原点を中心にして1回だけ時計回りに回るはずである.

 これを,下記のgifを見て確認しよう:

 

https://i.imgur.com/wnDKQK1.gif

(左:z,右写像w(z))

確かに極の周りを反時計回りに一回回ると,その写像は原点周りを時計回りに一周していることがわかる.

 次に,零点を回る様子を見てみよう.

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【古典制御】安定判別法③(イレギュラー処理)

 前回の記事で解説したNyquistの安定判別法は,複素平面上で,虚軸上を辿り積分していくことが前提であった.

 しかし,虚軸上に極(特異点)が存在した場合,その点は積分不可能である.複素解析学ではこのような場合,その点を避けて通ることが定石であるが,右半平面の極として扱うか否かでその回避方法が変わる.

 つまり,虚軸上の極が安定か不安定かを議論する必要があるので,複素平面上に存在する極の性質について改めて,下図を用いて論ずる.

 

f:id:ENOTYAMA:20190826132029p:plain

様々に配置された極とインパルス応答

 

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【古典制御】安定判別法②(Nyquistの安定判別法の証明)

 前回は,古典制御で考える安定の定義について明らかにし,システムが安定であるための条件をシステムの伝達関数から求めることができることを確認した.

 今回は,閉ループ伝達関数の性質より,特性方程式を評価するだけで安定が判別できることを示し,複素解析を用いて,Nyquistの安定判別法を証明する.

 

f:id:ENOTYAMA:20190826125029p:plain

フィードバックシステムのブロック線図

 

 再掲するが,図のようなフィードバックシステムの閉ループ伝達関数は,

 $$ G_{\rm close}(s) = \frac{G_{\rm c}(s)G_{\rm plant}(s)}{1+G_{\rm c}(s)G_{\rm plant}(s)H(s)} $$

 で与えられる.

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【古典制御】安定判別法①(安定とはなにか)

 制御工学,特に古典制御で取り扱うシステムはLTIシステムの下図に示すようなフィードバック制御系であるが,中でも

などが議論の対象となる.

 特に安定性については様々な安定判別法が提案された.現在でも使われている安定判別法は,

  • Routh–Hurwitzの安定判別法
  • Nyquistの安定判別法
  • Bodeの安定判別法

が挙げられる.Routh-Hurwitzはシステムを数値計算で判別する方法であるのに対して,Nyquist,Bodeは図的に判別する方法である.

 Routh-Hurwitzは別の機会に取り上げるとして,今回はNyquistの安定判別法について取り上げる.

 

  記事の構成は数回に分かれ,次のとおりである.

  1. 古典制御で議論する安定について厳密に定義し,システムの伝達関数を評価することで安定を判別できることを明らかにし,安定であるための条件をLaplace変換の結果より示す.
  2. 閉ループ伝達関数の性質より,特性方程式を評価するだけで安定が判別できることを示し,複素解析を用いて,Nyquistの安定判別法を証明する.
  3. 虚軸上に極や零点がある場合の処理方法を解説する.
  4. Nyquistの安定判別法で用いた補題を証明する.
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双一次変換のクセ(s-z伝達関数変換)

連続時間領域で設計した補償器\(G(s)\)を離散時間系の補償器\(G(z)\)に変換するための方法はいくつか存在する.

  • 前進Euler法
  • 後退Euler法
  • 双一次変換(Tustin変換)法

今回はこの双一次変換の特徴を中心に考察する.

 

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